シングルマザーは住居ローンを組める?

シングルマザーのお家づくり

    シングルマザーの方がマイホームを建てる(購入する)場合、低収入でも住宅ローンは組めるのか、どんな住宅ローンを選べばよいのか、などの資金計画上での不安や疑問があると思います。

    今回はシングルマザーがマイホームを建てる場合の「住宅ローン」についてご説明いたします。

    住宅ローンはシングルマザーでも「組めます」

    令和2年3月に国土交通省が発表した「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、住宅ローンの審査をするとき、家族構成を重視すると解答した金融機関は約20%。残りの約80%の金融機関は家族構成以上に、完済時年齢、健康状態、担保評価、借入時年齢、年収、勤続年数、雇用形態といった項目が審査上は重視されているようです。

    シングルマザーであることを住宅ローン審査の時、マイナス要因としている金融機関は少なく、シングルマザーだからと住宅ローンに対する不安を抱きすぎる必要はないようです。

    住宅ローンを組む際に重要なのは、住宅ローンを組もうとしている本人に収入があり、しっかりと返済していける能力があるかどうかということです。これはシングルマザーに限ったことではなく、住宅ローンの審査時に重要視されるのは年収や勤続年数です。

    また、収入の状況や借入額に対しての返済プランをどれだけ明確に提示できるかも大切です。自分の収入に対して無理のない範囲で借入額を設定し、きちんと返済するためのプランを考えておく必要があります。

    シングルマザーでもローンを組むためのポイント

    住宅ローンを組む際に注意したいのが、一定の年収がなければ返済の見込みがないと判断され、審査に通らなくなってしまう場合があります。

    一般的な金額の住宅ローンを利用するために必要となる年収は最低でも200万円~300万円程度の年収がなければ住宅ローン審査に通過できる見込みは少ないです。

    住宅ローンにおける借入額の目安は、年収の20%~30%までを目安に設定することがおすすめです。それ以上のローンを組んでしまうと、月々の支払いを滞らせる原因にもなりますから、無理な金額の融資を受けて住宅ローンを組まないように注意しましょう。

    たとえば年収300万円の場合、30%にあたる90万円が一年あたりに返済する限度の金額と考えましょう。この場合、月々の返済額は7.5万円ですが、実際にはこれに返済金利を加味した額が請求されることも注意しておくべきポイントです。

    頭金を用意する

    年収面での条件をギリギリという場合や、基準に達していないことを不安に感じる場合には、下記のポイントも押さえておくとよいです。

    借入金額の一部をまとめて先払いする「自己負担金」をなるべく用意するようにすることで、月々の返済額が減り、自己負担金がない場合と比べると生活に余裕ができます。金融機関としても、月々の支払額が減れば返済が滞るリスクも減るので、融資に踏み切りやすくなるでしょう。

    また、まとまったお金を用意できる収入があることや、計画性があることも評価できるため、審査に通過しやすくなるでしょう。

    住宅ローンの選び方

    働き手が一人しかいない母子家庭の場合、返済期間中に金利変動などで月々の返済額が変わることがあり、キャッシュフローを悪化させるリスクが大きいです。
    そのため、変動金利と固定金利であれば、返済期間中ずっと金利が変動しない「フラット35」のような長期固定金利型の住宅ローンがおすすめです。また、返済期間を長期に設定することで、月々の返済額を抑え、無理せずに支払え、生活がひっ迫しない範囲内に収めることも重要です。

    特に、当初一定期間のみ金利が固定される「期間固定型」のローンは、固定金利と見誤りやすいので注意が必要です。実際には、5年・10年といった当初の固定期間が経過したあとは、変動金利や固定期間明けの特別金利が適用されることが多く、金利変動リスクのある住宅ローンです。

    また、借入前の頭金や、借入後の繰り上げ返済に、貯金を投入しすぎることも避けましょう。貯金は何かあったときの予備資金として、一年分の生活費は確保しておいた方がよいでしょう。頭金や繰上げ返済について考える前に、まずは予備資金を確保し、そのうえで借入額や残債を減らす方法を検討しましょう。

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